日野市立カワセミハウスは、市民向けの環境学習講座の一つとして「市民環境大学〜地
球環境問題の連続講座」を開催しています。この講座は、水の循環や地球温暖化、酸性雨、
オゾン層破壊など私たちの回りの自然環境について、市民の方々が科学的かつ総合的な知
識を身につけ、地域の環境を守る活動に役立てて頂くことを目的にしています。

 この講座は2009年度にスタートし、2020年度で12年目を迎えました。講義の内容は毎年
少しずつ改訂されており、特にカワセミハウスが東豊田にオープンした2017年度には黒川
清流公園の自然観察がカリキュラムに組み込まれるなど大きな変化がありました。講座修
了生の中には何年にもわたって受講される方もおられ、2020年度までの11年間で修了者数
延べ185人にものぼっています。
 その内訳は男性が6割、女性が4割で、女性が比率が比較的高いことが特徴です。
住所別では日野市内231人、市外9人(八王子市、都留市、国分寺市、中野区)で、募集を
日野市内だけで行っていることから大多数が日野市民となっています。

 講座を修了された方々は、日野市内で雑木林保全などの環境活動を行っている様々な市民
団体に所属しながらこの講座で学んだことを日々実践しているほか、修了生の集まりである
環境大学OB会に参加して独自の活動を行っています。

 <市民環境大学11年間の実績>
開催期年度開催日数修了者数(女性数)
  第1期 2009  24日   13(4)
  第2期 2010  24日   16(6)
  第3期 2011  20日   11(3)
  第4期 2012  20日   14(6)
  第5期 2013  20日   15(8)
  第6期 2014  20日   16(9)
  第7期 2015  20日   19(8)
  第8期 2016  20日   17(6)
  第9期 2017  20日   21(9)
 第10期 2018  20日   19(7)
 第11期 2019  20日   26(9)
     228日 185(75)



○ 2020年度「市民環境大学」がスタートしました。

  みみネットとカワセミハウスが主催する第12期市民環境大学が7月2日にスタートし
 ました。今年の講座では、地球規模での環境問題から身近な黒川清流公園の自然観察まで、
 多彩なテーマを取り上げます。比較的高度な内容の講座ですが、多くの受講生の方々が講
 義を楽しみながら12月の最終回まで完走して頂ける内容を予定しています。
 
  <以下の前期予定は大幅に変更になりました。>

  第12期の講義の概要とスケジュールは次のとおりです。昨年度の第11期とほぼ同
 じ内容とスケジュールで行われることになります。

  ・会場 市立カワセミハウスの集会室と黒川清流公園
  ・講師 小倉紀雄氏(東京農工大学名誉教授)
  ・講義回数 前期10回(⇒3回に変更)、後期10回
  ・開講日時 毎週木曜日午前10時-12時

 全20回(⇒13回に変更)の講義は次のような5つの環境分野を対象としています。

・黒川清流公園の植物や野鳥などの自然観察と、気温・水質などの環境測定   6回
・炭素・チッソの循環   2回
・地球温暖化とヒートアイランド現象   5回
・水の科学〜水の特性、水循環、水資源、水質汚染   5回
・大気汚染と酸性雨   2回


  


 <変更後の第12期講義スケジュール>

開催日 前期開催日 後期
7月 2日
 
1.地球環境問題とは10月15日1.水の文化、水の特異な性質
  物質(炭素・窒素・リン)循環と
 人間活動の影響
10月22日2.地球規模の水循環
  フィールドワーク@
 黒川清流公園の春(気温測定)
10月29日3.都市の水循環
  地球温暖化と温室効果ガス11月 5日4.フィールドワーク
 黒川清流公園周辺の秋
  フィールドワークA
 黒川清流公園周辺の春(湧水)
11月12日5.水資源・東京および日野市の水利用
  地球温暖化の生態系への影響と対策11月19日6.フィールドワーク
 黒川清流公園の秋(散策)
 
 
ヒートアイランド現象11月26日7.仮想水(バーチャルウォーター)
  ヒートアイランド現象の身近な対策12月 3日8.フィールドワーク〜公開講座
 黒川清流公園の初冬(野鳥)
7月 9日2.フィールドワーク
 黒川清流公園の初夏(植物)
12月10日9.地下水の汚染(揮発性有機塩素化合物、
 硝酸塩)
7月16日3.日野市の環境の現状と環境行政、および
 意見交換
12月17日10.東京湾の総量規制・身近な環境と
 地球規模の環境を考える(まとめ)



○学習風景のスナップ

カワセミハウスでの講義風景
 
講義中の小倉先生と受講生
黒川清流公園での自然観察1
 
黒川清流公園での野鳥観察2
  


○ 市民環境大学OB会の活動

「日野市民環境大学OB会参加のお誘い」

 環境大学最終講義が終わって修了証を手にしたとき、一年間の努力がこの中に凝集さ
れているという感慨を実感なさったのではないでしょうか。そして、学んだことが毎日
の生活に活かしていく工夫や努力をなさってお過ごしのことと拝察いたします。

 そして、日々の生活ではどうすべきかとお悩みのことも多々あったのではと思います。
そんなときはOB会に来てぜひご発言ください。小倉先生からの適切なご指導がいただけ
るものと思います。OB会は身近でひたしみ易く、お互いに尊重しあって進むようにして
います。
 OB会の定例会は毎月第3木曜日、カワセミハウスで行っています。時間は、環
境大学の開校中は午後(1時〜3時)、開かれていないときは午前(10時〜12時)です。
参加は自由で、出席・欠席の連絡は不要です。

 OB会では現在主に次のような活動を行っています。
  ・全国規模で行われている河川COD測定に参加(年1回)
  ・全国規模で行われているNOI測定に参加(年2回)
  ・放射線測定および黒川清流公園湧水量の測定(月1回)
  ・本(森林飽和(NHKブックス))の輪読、その後の情報交換、連絡など
  ・水再生センター、防災センターなどの施設見学
  ・自然観察会(日野台地の地形や植物、野鳥など)
  ・ニュースレターの発行(隔月)
  ・その他、会員の提案による活動など


・環境学習会の開催(毎月1回)

・市内空間放射線量の測定(毎月)


 2012年3月以来市内12地点での定点観測を毎月行っています。測定値は0.03〜0.12μSv/h
の範囲にあり、日野市役所が毎週行っている測定値と同じような結果となっています。

3年間の観測記録− 報告書測定結果・グラフ−も公表されています。

空間放射線量の測定風景(センター)
 
空間放射線量の測定風景(市役所)
  

・黒川清流公園など湧水量の測定(毎月)


 以下、OB会ニュース第19号に掲載された投稿を活動の説明として掲載します。

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 OB会の毎月の活動の中で日野市の湧水測定は重要な活動の一つです。昨年4月よりOB会の拠
点がカワセミハウスに移り、湧水測定も黒川清流公園に変更となり、測定地点の環境変化も
あってOB会員はいろいろ苦労しながら測定を継続しています。

 今回、湧水測定の重要なメンバーの一人である原田さんに測定方法の変遷や苦労話を投稿
頂きました。また同じく当初からの測定メンバーの坂井京子さんに測定風景の写真を提供い
ただきましたので以下に紹介します。

投稿  『OB会の湧水量測定に関わって』  OB会 原田武司

 水と緑をスローガンとする日野市の市民環境大学のOB会なのだから日野の湧水にも関わ
るべきとの声に押されて湧水量測定を開始したのは平成28年の春先でした。場所は当時のカ
ワセミ館に近い谷仲山湧水地を選びました。観測は容積計量法と呼ばれる一定時間に湧出す
る水をバケツで回収して重量を量る方式でしたので、誰もが水遊びに戯れる小学生に戻った
気分に満ち溢れていました。並行して電気伝導度・CODも記録に残しています。

 その後カワセミハウスの移転に伴い観測場所も黒川清流園周辺に移動することになりまし
た。新たに観測地点の選定からはじめましたが、手慣れた容積計量法が可能な適切な場所が
ないため、水路流速断面計測法1か所、日野市が設置した剣道場前の三角堰を利用した三角
堰法の2か所でスタートとなりました。
三角堰法は囲いの中に流れ込んだ水が三角の切り込みから流れ出る高さを計れば後は換算表
で流量が簡単に算出できますが、流速計測法は水路に流して計測する浮きの形状や重さによっ
ても大きな誤差が生じてしまうため試行錯誤の連続でした。ようやく安定した数値を計測でき
るようになって現在は観測地点を目標とした4か所に拡げ実施しています。
さらに今年に入りより正確な測定が短時間で可能な最新鋭のデジタル流速計を顧 問の小倉先
生から提供戴けるようになってデータの信頼性も一段と向上しました。

 昨年の10月の記録的な大雨後の測定では三角堰を測定不能となるほど溢れだし、段丘崖の
周辺はどこもかしこも水浸しでした。これを一時的な現象と片づけるか日野台地全体の保水
力の低下によるものかは観察を続けて結果を見守るしかありません。
そして黒川清流公園に隣接する多摩平に高層マンション群が建設されることで湧水への影響
が懸念される今、私たちの活動も一層意義あるものになると確信しています。




・OB会ニュース発行: 最新号とバックナンバー

 <最新号> 第32・33合併号(2020年 8月20日発行)

 コロナ禍により遅れていた5月号と7月号が合併号として8月に発刊されました。OB会
 による放射線量・湧水量の測定活動の報告と、桜と人のかかわりについて田中徹氏の寄
 稿文が掲載されています。

 第31号(2020年 3月19日発行)

 今年で12年目を迎える環境大学0B会の、過去11年間の修了者数の推移を講師の小倉紀
 夫氏による報告と、ラグビーWCと台風19号に関わる田中徹氏の寄稿が掲載されています。

 第30号(2020年 1月16日発行)

 30号の発行を記念して、OB会長 飯島利三氏から「ニュースレター30号に際して」と
 編集担当の尾添俊二氏から「ニュースレター30号までを振り返って」と題する二つ
 の記事が掲載されています。


  第29号
  第28号
  第27号
  第26号
  第25号(2019年 3月14日発行)
  第24号
  第23号
  第22号
  第21号
  第20号
  第19号(2018年 3月15日発行)
  第18号
  第17号
  第16号
  第15号
  第14号
  第13号(2017年 3月16日発行)
  第12号
  第11号
  第10号
  第9号
  第8号
  第7号(2016年 3月17日発行)
  第6号
  第5号
  第4号
  第3号
  第2号
  第1号(2015年3月19日発行)