写真は東豊田緑地保全地域の遠景。2013年4月加藤勝康氏撮影。

 黒川清流公園 は市民の皆さんにどのように評価されているのでしょう?

 日野市と協働事業を行っている中央大学経済学部の学生たちが調査しました。
 今年(2016年)の夏休みに黒川清流公園を訪れた方々のうち74人にその経済
 的な価値について聞いてみました。

 この度、私たち中央大学経済学部田中ゼミ一同は、『日野市の環境』を
テーマに黒川清流公園に対する評価について調査しました。
 黒川清流公園を訪れた皆さんに、“黒川清流公園もしくは園内にある自
然環境はどのくらいの価値を有していると思うか”というアンケートを実
施、74人の方々のご協力を頂きました。この回答を集計し分析した結果
をご報告します。アンケートにご協力下さった方々に感謝申し上げます。

 この調査の特徴は、公園や自然の価値を言葉だけで表現せず、点数や金
額などの数字を取り扱うことでより具体的なデータを算出している点です。
特に私たちの専攻である経済学を絡めるために金銭面を用いた点を注目し
て頂きたいです。
                 2016年11月





<調査対象者74人のプロフィール>
 調査に回答して頂いた74人のプロフィールは次のとおりです。


Q1 あなたが黒川清流公園を訪れる程度はどのくらいですか?




 黒川清流公園を利用される方は毎日のウォーキングで訪れる方や夏休みに水遊びの場として利用される方など幅広く、今回は訪問される頻度を3つのレベル「よく来る(月に1回程度)」「ときどき来る(2〜3か月に1回程度)」「初めて来た」に分けてお聞きしました。
 「よく来る」は32人、「ときどき来る」は30人、「初めて来た」は12人という結果になりました。
 初めて公園を利用された方々が予想より多く感じましたが、これは黒川清流公園の水遊び場としての認知度が高く、子どもたちを遊ばせるために市外からも親子連れの方が訪れたためと思われます。水遊びや昆虫採集、ザリガニ採りなどを目的として訪れる子ども連れの方は夏の利用が多くなるようですが、ふだんからウォーキングや散歩で公園を利用される方も多く、一年中利用者は絶えないようです。


Q2 あなたにとって理想の公園が100点だとしたら、
黒川清流公園は何点くらいですか?




 黒川清流公園の具体的な価値を知るために理想の公園を100点とした場合、黒川清流公園の点数は何点なのかをお尋ねしたところ、高得点を付けてくださる方が多く平均点は83点でした。
 公園の訪問頻度別に平均点をみると、「よく来る」85点、「ときどき来る」83点、「初めて来た」75点となり、訪問頻度の高い方ほど高得点になっています。黒川清流公園は皆さんから好かれていることが分かりました。
 100点をつけなかった方にその理由を聞いたところ、特に多かった3つは「トイレが少ないこと」7人、「駐車場がないこと」6人、「遊具がないこと」6人でした。確かに現場に行ってみると、車で訪れている方も何組かいましたが、駐車場がないため道路の端に停めている方を見かけました。遊具もほとんどなく、丸太があるくらいで、いわゆる一般の遊具はありません。トイレは一つ設置されているようですが、場所が遠くて不便だという意見が多かったです。高得点を獲得しましたが、まだまだ改善の余地があるようです。


Q3 あなたにとって黒川清流公園の良いところはどんなところですか?
良いと思う順に3つまで番号でお答えください。




 黒川清流公園の良い点について一人3つの項目を目安に選んで頂きました。その中で最も票を集めた項目は「緑が豊富なところ」で53票、次いで2位は「水が豊富なところ」で51票でした。
 この2項目が群を抜いて多いのですが、初めて公園を訪れた方々は上記2項目に加え「森林浴に最適なところ」と「自然を身近に感じられるところ」の得票の割合も高くなっています。初めて来た方は日頃の暮らしでは味わえないような自然の豊かさに触れ合える環境に感動したのだと思われます。


Q4 黒川清流公園が入園料が必要な公園だと仮定します。 あなたなら入園料
として、いくらくらいなら支払ってもかまわないと思いますか?




 黒川清流公園の経済的な価値を把握するため、「もし仮に黒川清流公園に入園料が必要な場合、どのくらいの金額まで支払えるか」という質問に答えて頂きました。最も人数が多かった金額は100円で24人の方が支払えると答えています。また、最も高い金額は500円で、平均の金額は113円でした。
 全体を通してみると、黒川清流公園の訪問頻度が高い方や黒川清流公園が生活の一部となっている近所にお住まいの方は支払う機会が多くなるため、また初めて来た方はまだ公園の魅力が十分把握できていないため、ということもあるのか、それぞれ101円、92円と比較的低い金額になりました。ときどき利用するという方は夏の水遊びなど他の公園にはない黒川清流公園の魅力を感じていることと、支払うのもときどきなので、ということもあるのか、133円と高い金額を提示して頂きました。黒川清流公園への想いだけでなく、利用頻度も入園料に対する人それぞれの価値観に影響を与えていることが分かりました。


Q5 黒川清流公園のほかに、あなたがよく行かれる市内の公園を
もう一つあげるとしたら、それはどこですか?




 黒川清流公園以外に日野市内の公園を利用するかを質問したところ、いちばん多く利用されている公園は日野中央公園の16人で、東豊田公園8人、旭丘中央公園8人、多摩平第一公園7人、仲田の森蚕糸公園3人と続きました。また、「特にない」という方は19人でしたが、その理由の一つは日野市外から来られた方(9人)は黒川清流公園を目的として足を運ばれているがゆえ他の公園を訪問しないため、もう一つは黒川清流公園の近所にお住まいの年配の方々の他の公園への訪問が少なかったためです。


Q6 では、もしその公園が入園料が必要な公園だとしたら、あなたなら
入園料としていくらくらいなら支払っ てもかまわないと思いますか?




 前の質問であげられた利用人数が多い公園上位5つについて、黒川清流公園の場合と同じ要領で「入園料をいくらまで払えるか」を聞いてその平均の金額を算出したところ、一番高い入園料になった公園は113円の黒川清流公園でした。
 この結果から黒川清流公園は他の公園より評価されていることがわかります。黒川清流公園とその他の公園の入園料の設定に格差が生じた理由として、普通の公園にはない黒川清流公園の水や緑豊かな環境が多くの人を魅了している点と、その他の公園は遊具や広場で楽しむ遊びの場として認識されているため、入園料を払うことに違和感を覚えた点にあると思われます。
 一概には言えませんが、黒川清流公園は遊具や広場がないため公園という概念よりも「水が流れる豊かな森」のイメージがあるようで、生き物を採集したり散策や水遊びなど、他の公園ではできないような楽しみを堪能することができる特別な存在であると感じられていることは間違いないようです。


Q7 黒川清流公園が民有地であると仮定します。
緑と水の保全を目指して公園を公有地化するために、
あなたならいくらくらいなら寄付してもかまわないと思いますか?




 「黒川清流公園が民有地だと仮定して、その緑と水を守るために公有地化するとしたら、どのくらいの金額まで寄付ができるか」ということを質問しました。
 いちばん多かったのは1000円で22人、最も大きい金額は10万円で3人の方が寄付すると答えました。アンケートに答えて頂いた74人の寄付金の合計は47万7390円になり、一人当たりの平均は6451円になりました。日野市在住の方々(65人)の一人当たりの平均は5675円、一方、日野市以外に在住の方々(9人)の平均は1万2058円という結果になりました。
 もし仮に日野市在住の方で寄付に賛同して頂ける人の数に今回の寄付金の平均金額を掛け合わせると莫大な金額になります。また、市外在住の方の寄付金の平均金額を考え合わせると、黒川清流公園は市を跨いでその価値が経済的な面でも評価されていることが確認できます。

 以上で回答の分析は終わりです。